心理学者のツァイガルニクは行きつけの喫茶店にてあることに気づきました。
それはカフェを出す店員は注文したメニューを出すと、すぐさまその出したメニューを
忘れてしまうということです。注文の品を出すまではしっかり覚えているのに
出した途端に記憶から消去されてしまう。ツァイガルニクはこれを仮説としてとある実験をした。
ひとつのグループには全て完璧に完了する作業をやらせ、もう一方には未完了になるように作業をさせる。
そしてどのような作業をしたか試験をさせると、未完了のグループは作業内容をよく覚えていたそうです。
つまり、人は未完成のもの、成長途上にあるもの、完結していない物語など、スタートしてから
まだゴールまでたどり着いていないものに非常に強い興味、関心を示すということがわかりました。
これをツァイガルニク効果(ツァイガルニック効果)と名付けました。
過去にエヴァンゲリオンブームがありましたが、これもツァイガルニク効果の賜物です。
漫画やアニメ、新世紀エヴァンゲリオンはストーリー上に「謎」の部分が多く存在し、あまり多く語らず説明しません。
そのために人はどうしても興味を持たざるを得ない気持ちになってしまうのです。
無意識のうちに「未完成の空白」に対して脳をフル回転させて様々な想像をしてしまう。
そしてその答えを知りたいがためにエヴァンゲリオンにさらにハマり熱中してしまうという行動を心理学的な仕組みで
説明できます。テレビ番組を見ていると「この後とんでもない出来事が」なんていうテロップとナレーションが流れて
CMに移行することが頻繁にあります。これも人の探究心を利用してチャンネルを変えさせない心理テクニックです。
このようにツァイガルニク効果は非常に強い効力を持っているもので、
これは人間関係や男女の恋愛においても使えるモテるテクニックともなりえます。
・ミステリアスな人は好かれる
好意を持たれやすい性格として、天然でわかりやすいタイプ、癒し系で一緒に居て落ち着くタイプの
二つが最もモテると思われますが、それに次いで好まれるのがミステリアスでちょっぴり影がある人です。
元気で明るく活発な人は男女共にモテモテですが、
遠くから見ていて、なんとなく暗そうな雰囲気で謎めいている人ってどこか胸がときめきます。
口数が少なく集団行動もあまりしていない一匹狼のような態度がどこかカッコイイ。
上記で説明したとおり、人はすぐに理解できてしまうよりも、「何考えてるかよくわからない人」
の方が興味を引かれやすい。その人の事を考えているうちに好意の気持ちが膨らんでいつの間にか片思いになって
いてもおかしくないのです。自己主張するのは最も効果的な恋愛アピールですが、
時には秘密を隠すような素振りを見せるのも効果的です。
このテクニックはメールでも使えます。
長文で絵文字や顔文字、デコめなどをふんだんに使って自分の気持ちを素直に表現してしまうのは
気分が良いものですが、それでは「完了、完結」してしまいます。
それよりも異性を口説く時は逆に、少し物足りない、言葉足らずなメールを
送ると効果的です。人はメールの文章が少ないとどこか寂しさや不安を感じます。
しかし、それこそが恋のスパイス、調味料でありより恋愛を美味しく変化させていきます。
「好きだよ」「愛してる」なんて素直にメールで好意の気持ちを伝えるのもよいかもしれませんが、
それではどこか飽きが来てしまう。それよりも
、ちょっと不思議で好きなのか嫌いなのかわからない。「もしかしたら浮気されるかも」
ぐらいの危機感を持たせた方が逆に恋の炎は燃え上がります。
自分の気持ちを意図的に隠すことで、ツァイガルニク効果を利用するのです。
ちょっぴりミステリアスで謎があるメール、これこそが男女共にメールで落とせるコツ、方法でしょう。