頼みごとは自分が楽をするために、相手に負担を強いるものです。
しかし、負担を強いられ面倒くさいはずの頼まれる側は
頼みごとをしてくれる相手に対して好意を持ってしまうという法則がある。
これは色々な心理要素が絡まってくる話で「自我関与」や「認知的不協和」
などが主なものです。自我関与の意味は相手の事を考えている時間です。
好きな人や嫌いな人に対しては人は自我関与が増して、その人への思いや感情が増幅されます。
恋愛で片思い中は好きな人の事ばかり考えて、どんどんその気持ちが強まる。
認知的不協和は、自分の行動と感情が食い違っていて混乱している時、行動の方を主感情だと思ってしまう心理の働きです。
例えば、嫌いな人から命令されて、お手伝いを強制されると、「嫌いだけどこの人のために働いている」という
心理と行動とが別々の状態になる。そうすると、「この人のために働いているからこの人が好きだ」と
錯覚してしまいやすい気持ちです。
他にも母性本能や、頼られる事から来る自分は特別だという信頼関係など、とにかく頼みごとをするというのは
男と女、友達や恋人、彼氏彼女、結婚している夫婦など、
親密度を高めたり親しくなるのに有効な方法と言えるものなのです。
・好きな人にはちょっぴり負担をかけた方がうまくいく
恋愛でも仕事でも、自分ができない事や困ったときには頼みごとをすると人間関係がうまくいくようになります。
頼みごとに関する心理学で有名なものに「フットインザドア」「ドアインザフェイス」テクニックと
呼ばれるものがあります。フットインザドアは、初めにドアの片足を入れるように、小さいオーケーを出しやすい頼みごとから初めて、
徐々に要求や提案を大きくしていくというもの。初めは「無料でプレゼントします」と謳って興味を引かせて、
商品やサービスを購入させる広告戦略もフットインザドアの心理を利用したものです。人は
一度「YES」と返事をすると、次の質問にも「YES」と答えてしまう性質があるためこれが有効なのです。
例えば女性が男友達から、「飲み物頂戴」と言われて「いいよ」と言った後、「今度デートしない?映画いかない?」
と言われたら、これも「いいよ」と続けて答えたくなってしまうのです。人は一度受け入れると
それを拒否するのが難しくなるという気持ちがあるのです。
ドアインザフェイスはフットインザドアとは正反対の方法で、初めに過大で絶対拒否されるようなお願い事をして、
その後徐々に承諾されるような要求へと小さくしていく。例えばとある男性が女性に「今夜家に遊びに来ない?」
と言えば、両想いの場合はオーケーされる可能性もあるが、大抵は「嫌よ」と言われるでしょう。
しかし、その後に続けて、「じゃあ食事ならどう?」と言うと女性は「ご飯だけならいいよ」と言ってくれる可能性は高い。
人は、一度頼みごとやお願いを断ると、心の中に少なからず罪悪感を感じる。
そして、今度もう一度頼みごとをされたら、願望を聞いてあげようかなという気持ちになっているのです。
真面目でお人良しな日本人だからかもしれませんが、何度も「NO」「NO」と相手を拒否してつっぱねるのが嫌いなのです。
特にそれが同じ学校やサークル、職場などで顔を合わせる関係であれば尚更でしょう。
そして、頼みごとを聞いてもらえれば、自然とお互いは仲良くなって友達や恋人になれる確率が上昇するのです。
・人は誰しも頼られたいと思っている
頼みごとをされると、自分の時間を消費してまで何かをしなければならない。
しかし、人には元々妙な心理があり、誰かに親切にすると、免疫力が上がる性質があるのだという。
人助けや援助などをすることで、自分自身が輝き磨かれているのは間違いないようです。
人は、誰かから頼られるような体験はそうそうするものではありません。
だから、誰かからお願いされることは、非常に喜ばしい事で嬉しいことなんです。
それこそナンパのような声かけであっても、当然デートを拒否はするけど、内心は悪い気はしていません。
好きな人がいるのなら、多少は迷惑をかけるぐらいの方が関係がうまくいきます。
出来の悪い子ほど可愛いという名言もあるぐらいです。
相手の事を気遣って本当の自分を出していないのは、それこそ相手に対して失礼で迷惑な事。
やってほしいことがあれば、相手にきっちりと頼み込む。それが男も女も誰しも望んいることなんです。